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櫻井翔の、『人間失格』


櫻井先輩と太宰治のおかげでこの3日間のうち3日ずっと夢を見て、そのうち2日櫻井さんが断片的に出てきました。3日ともすごい怖い、不気味な夢で、夢の為に無駄に夜中に目が覚めたり朝いつもより早く目覚めたりしてます。今日やっと聴き終わったよー、つ、つかれた!(感想)





太宰治の本は全然見たことないし、多分教科書題材にのっていれば読んだことがあるのだろうけど、それぐらいです。とくに本をものすごい読むわけではないので小説家の方にも全然詳しくないけど、小説を読むのは好きなので、楽しみにしていました。最初は通勤途中に少しずつ聞こうとipodに入れていたんだけど、なんか冒頭からしてこりゃだめだと思ったので(いい意味で)きちんとそれを聴くために出歩いたりしてやっと聞き終わった感じ。


櫻井さんも言っていたけれど、テンポが独特。リズム感が合わない作家さんのお話は有名であっても最後まで読み続けられないけど、太宰治のテンポは聞き心地、読み心地はすごく自分に合っています、けれどもう夢にも出てくるぐらい読み返したくはない本だ・・・な、なんかダメだ自分は!わけ分かんない男女関係とか妙な生活習慣とか、どこからお金が巡り何処へ行き着いているのか分からない感じ、時間列の奇妙な進み方とかは現代小説にももちろんあるんだけど、昔の人であれば理解できたのだろうか・・・というやっぱり現代では隅々までは理解できない部分もあったし、それで人間の世界が回っていけるのか、というような突拍子もない展開もあるし。*1

だけれど登場人物の説明はとっても端的で長くないにもかかわらずなぜだかリアルで、あと、私は絶対そうじゃないと思うんだけど、その人の気持ちが分からなくも無いかもしれないぐらい、心理描写というか、気持を書き表して行く文脈、文字の流れ、組み合わせが独特で、落ち着いている感じ。過去形みたいな流れで言ってるから?でもこの話からして、私は多分もう人間失格読めないです。未だに死に対して憧れが1mmもないし、けれど酒に浸かって色々な女性を見つめ、死を望んで行く彼の心情は、やっぱり「分からなくもないかも」ていう淡々としたリアルさがあるから、もう、疲れました正直。これ本を読破したら私しばらくぼんやりしてるんじゃ(笑)じりじり真夏並みの日差しの中、日傘をさし歩きながら聴いたり、静かな図書館でぐるぐる本棚の間を歩いたり時々椅子に座ったりしながら先輩の朗読を聞いていると、妙な気持ちになったりしました。


けれど今回、櫻井翔が朗読したことによって、さらにこの「人間失格」という作品のものすごいなんか、こう、なんともいえない何か、みたいなものが強く感じ取れた気がします。櫻井さんの声はとても耳障りがよく、低いトーンで続いていく心情の描写、ため息、感嘆、そういったものがうざったくない温度で受け取れた気がする。朗読って感情がこもるので聴く人は選んじゃうかなぁとも思うんですが、私はもともと櫻井さんの声は本当に大好きな声なので、絶妙だぜ先輩、と思いながら聞き終わる事が出来ました。



櫻井さんがそのゆかりの地に行く話や、その太宰治に詳しい方との対談も交えているんですが、朗読と同じぐらいに対談内容が素晴らしい。太宰治の事を語るその人と対になっている櫻井さんを、私と置き換えて聞いている感じでした。最後のほうにも、その方が言った「言葉がすべて」という言葉に力があった、けれど自分はまだそうとは言い切れない、と話していた先輩に超頷いたよ。頭の中では「言葉よりも大事なもの、ここには、あるからー!」って大野さんとシャウトしてました。最後のその話聞けたので、もう多分明日からは夢も見ないんじゃないかしら・・・(自信ないけど、)


ちなみに、夢に出てきた先輩は、ちょっとぼさっとした長めの髪で、バンビみたいに呉服、着物を着てました。断片的にふっとしか出てこなかったけど、なんか思案顔で、大きい眼でこちらをじっと見てて、最後にはなんか心配そうな表情とか見えた気がする。あとはもううなされてガバッと起き上がるような内容の夢だったんで、もうそれはいいです!また山っこがありえるかありえないかレベルでわらわらしてる、そんな夢を見たいです(=癒されたい)

*1:でもこれは現代風アレンジって事はもっと違う流れで通ってるの?