君に、ありがとうございます。

好きなアイドルについて。

ぞっとするほど、美しい沼。

KinKi Kidsのシングル曲は知ってるけどアルバム曲やカップリング曲、ライブ映像とかは見たことなかった『薔薇と太陽新規』の鈴木が書く、「薔薇と太陽」そして「Ballad Selection」についての感想。


趣向を変えた文章をめざしたらやたらと長文になりました!!!!!いやー大変。長くてぐだぐだです。








アイドルに限らないのだけど、新たに出会った、すでにある程度のコンテンツがある趣味などの奥深さを「沼」と表現することがある。私が初めて触れた単語でいえば『レンズ沼』というものがあり、一眼レフ本体を購入した人が初めてキットレンズ*1以外のレンズに手を出したときに使っていた。某カメラショップの掲示板で皆さんが「沼にようこそ!」と笑顔で歓迎していた。海でもなく池でもなく川でもなく「沼」と言い表されるのは、茂みの奥に隠れてそうだしなんとなく薄暗そうだし、何より浅いのか深いのかまったく分からない感じがぴったりだからかもしれない。


川みたいに浅い水でパシャパシャ遊んだり、海でパリピ達とシーズン中に通い倒したり、ということではない感じ。まずこんなところに沼があるなんて知らなかったし、のぞいてみてもなんか深さもよく分かんないし、とりあえず一歩踏み出してみたらぬるっと沈んで息をすることを思い出せない、みたいな。陸に上がることをすっかり忘れきって、なんか私エラ呼吸しているんだけどえっ私いままで何を知らずに生きてこられたんだろう??もう知らなかった頃の自分には戻れない、みたいな。でも、「私ったら新しい沼に沈んだの、」と言わなきゃまわりにも案外伝わらない。だって沼に沈んだから。浅瀬の海から手をふってこっちおいでよ!でも川の向こう岸からまた来年ね!でもない。実は今の私の生息地=沼、なの、ぐらいの、もうものすごい意志を持たないと陸地にあがってこれないやつ。それが沼。



アイドルコンテンツが沼だとして、各グループそれぞれがそれぞれにあると想像するとなんとも楽しい。

嵐は、のぞきこんだときになんとなく深さが分かる色合いをしていて、でも沈んでみると実は深さが多様にあって、浅いところは明るくてくるくる水も動いているのだけどしばらく泳ぐとぐっと深い谷底みたいな場所がある。深い色をしている奥底は、実は最後まで沈んでいってもちゃんと広い空間が広がっている。先細りの深さじゃない。水温はいつも一定で、あたたかい。反射したり夜に沈んだりする水面をくぐって潜り込むと、水温のなじみやすさにああこれだ、これこそだ、と思う。


V6は、水草に紛れていて、足元で水とたわむれていたらいつのまにか周りがもう沼の中、水の中。いつ沈んだか覚えていない、澄んだ色なイメージ。実はよく分かっていなかったけど、冷静に考えるとものすごく純度が高い沼で、底はよく分からないのだけど天井もあまり分からなくて、球体のように感じる。安定感のあるたっぷりな水は、頬や足首に流れとしてふれたときに、ふと温度が変わっているのが分かる。シャキンと冷たかったり、湯のように温かかったり。


KinKi Kidsというグループのコンテンツは、昭和生まれ平成育ちのジャニーズアイドル好き二次元おたくである私にとって、とてつもなく深い沼だというのははっきり想像できた。本当の王子のような信じられない美貌をもった堂本光一と、男らしくまっすぐな瞳で歌唱力抜群の堂本剛*2。二人は学年違いの同い年で、苗字が一緒な縁からジャニーズ入所後のほぼすべての時間を共に歩んできた。そして何より身長差があまりない、実力派の二人組のグループ。はいもうダメでしょこれ沼深すぎでしょ、とおたくはこわがっていたのです。だって深いよ絶対…こわいよあの沼お母さん…という気持ちだった。




そして時は過ぎ、私がKinKi沼にぬるっと落ちる日が訪れる。
さくっと解説すると、私は中居兄さんをはさんでのジェットコースター・ロマンスを唄った歌謡祭で、にっこにこな笑顔で中居くんにくっつく堂本光一さんのかわいい笑顔につまづいてよろけた新規。何あの笑顔かわいいな…剛さんも隣に来てうれしそうだな………、そこから昔のバラエティ動画詰め合わせセットを延々見ているうちに、KinKiってすごいわーツボぐいぐいついてくるわー、絶妙になかよしで絶妙によくわかんない!!!百点!!!と思っているうちに、公式サイトであの伝説の「薔薇と太陽」ショートバージョンPVを見て完全に頭から沼に叩き落された。

堂本光一って黙っていると信じられないぐらい美形なのに笑うとめっちゃかわいいね〜」とふらふらしていた矢先にあの薔薇と太陽PVですよ。分かるだろ私の気持ち???!!!と誰かに言いたいぐらいにガツン!と衝撃派をくらった。




◆薔薇と太陽

まず、タイトルからして無敵だと思いませんか。「KinKi Kids アニバーサリーイヤー突入第一弾シングル、『薔薇と太陽』」って何その無敵感。これはやばい、これはやばいやつ、と心の中の何かが反応してしまう曲名だと思う。イントロから最後の一音まで、完成度も唯一無二な色合いも素晴らしいナンバー。二人のビジュアル、衣装、PVの構成、声のやり取り、重なり、臨場感。音だけでもこのクオリティなのにこの楽曲を説明するときに出てくるエピソードや視覚化したときのパワーもすごい。
私は薔薇と太陽がものすごく好きで、本当に好きで、2016年のもう最後の方に手に入れたにもかかわらず、「私が2016年で一番繰り返し聞いたのはこの薔薇と太陽だ」と思いながらリピートしていた。


見つめ合えたらそこはもう地平線 行き先を失くした旅人みたいさ
カラダに残る 青春の後味が消えてしまう前に
死んだフリだよVa・Cu・Van


これを2016年に男性アイドルが歌うんだよ…そんなヤバイことって起こるんだね…あと光一氏の笑顔でふらっとした身としては、とにかくとにかく振付けが大好きで、とくにバックダンサー4人がクールな顔して野心家な王子に使える護衛隊みたいで、強くてカッコよくてただひたすらに振付けをマネしてました(ただのアホ)あとメイキングで剛さんの小ボケに妙な感じで対応する光一さんを見てなんかいたたまれなかったよ。



さて、私の住む沖縄ではブンブブーンは週遅れ放送。Nアルバム初回を買って延々聴きながら、週末に流れてくるコンレポを眺めつつほどよくKinKiを楽しむ日々。遠征したときはおいしいご飯を食べたいしグッズだって惜しみなく買いたいので、2年に1度のペースでコンサートへ行くのが定番化している私にとって、KinKiおよびV6は未だファンクラブにも入っていないし現場にも行ったことがない沼なのです。


楽曲大賞も投票し忘れた私は、今年1月の給料が入ってようやく「Ballad Selection」を買いました。本当のことを言うと、できるかぎり節約したいなと色々考えると、パソコンの中に取り込んだ曲を集めさえすればアルバムのほとんどの曲を並べることができたので購入を迷っていたのです。


けれどその後にリツイすることになった、私のおたくハートに刻まれた名言、

http://tomotty-tty.hatenablog.com/entry/2017/01/19/235753
道重さゆみに心臓を捧げた私が関ジャニ∞に10万円使うまでの3日間の話


「物分りの悪い事務所は札束でぶん殴る なの。」に我に返り、沖縄にいてやれることなんて少なすぎるぐらいなんだから、しかもちゃんと興味もあってほしいものなのだから、とお金を下したATMの2FにあるTUTAYAで買ってきました(とりあえず右ストレートを繰り出す気持ちで)





◆Ballad Selection

私は今まで、KinKiファンの方の「二人の声はとても相性がいいし、『KinKiの声』としか表現できないようなものになる」「光一と思ったら剛、剛と思ったら光一、ということがある」話がぜんぜん信じられなかったのです。だってぜんぜん違う声、歌い方じゃないですか剛さんと光一さん。Nアルバムはポップでかわいらしい楽曲や中毒性のある妖艶な曲で構成された素敵なアルバムだったけど、そういう部分をそこまで強く感じることが私にはなかったのです。確かに時折「あれ、これって今まで光一さんだと思ってたけど剛さんだよなぁこの声は、」という部分はあったけれど、某テレビ誌でも書かれていた「堂本剛の声には堂本光一堂本光一の声には堂本剛の声が一番相性がいい」という部分に関しては、発見するまでにはならなかった。


しかし、Ballad Selectionで、なるほどこれか……、と黙ってしまう曲と対面してしまうわけです。それは、ツイッターでもちょっとつぶやいた、「いのちの最後のひとしずく」です。


横顔のあなたが
いとしくて
夕暮れに涙ぐむ
花びらに埋もれてこのまま
死んでもいいと思った

正直に言うと、堂本光一堂本剛の歌声・歌い方は、私にとってはどちらかというと苦手な方、なのだと思う。けれどこの「 いのちの最後のひとしずく 」という楽曲を初めて聴いたときに、本当に心の底から「これは反則、まいった…」と思った。ふたりの声が、混ざり合って折り重なって、信じられないぐらいに美しかった。


そう、「美しい声」なんだ、KinKi Kidsの歌声は。きれい、と言うよりも「美しい。」そしてどう表現したらいいのかわからないからそのまま書くけど、「堂本剛の声も聴こえる」し、「堂本光一の声も聴こえる」し、それがゆらいで互いに前に出て前に出てを繰り返していてぞわっとする。鳥肌が立つ感覚に似ていた。本当に、ぞっとするほど美しかった。夜、仕事帰りの疲れた頭で、10年以上乗ってる軽自動車の騒音の中で聴いたのにとてつもなく美しい声だったから、私本当に思わず笑っちゃったもん(笑)「あーこれかーファンの方が言う『KinKiの声』って…やべーなこれは」と思いながら聴いた。


あと、KinKi Kidsのバラードはとても初めての感覚で聴いたバラードだった。「いのちの最後のひとしずく」で説明しちゃうと、KinKi Kidsのバラードもとい二人の声に最高に合う楽曲たちは、どこか重くて「ふたりぼっち感」があった。今夜はもうどこにもいかないで、という歌詞があれほど重く響くアイドル、oh…て感じ。満点の星空を見上げてふと今までの人生の中で初めてかもしれないほどの愛の大きさを実感するというよりも、もう最愛の人に出会ってしまったこれ以上は私にはない、ただひたすらにここに留まりたいだけなの、みたいな。前者はホットココアよくてもホットコーヒーなんだけど後者はホットはホットでもホットワイン(赤)とかなやつ。大人の重たいバラード、それがまたこれもう二人の声でおそろしいぐらいに美しく構築されていて本当にすごい。


「青の時代」や「停電の夜には」みたいに、また違ったバラードもあって、二人の重なった声だけじゃなくたっぷりソロパートを楽しんだり、マッチングしすぎだろアテレコかよ(?)な歌詞にうなったり。この1枚は新規ファンにとってはすごいおもしろい1枚になりましたよ。はやくパソコンに取り込みっぱなしの歴代アルバム聴かなきゃごくり…と私は思いました。しかし諸事情で現在、通勤以外で曲を聴く環境がなくて聴きこめていない曲が山ほどあるんだよなー。




というわけでだらっと長くなりましたが、まだ沼に沈んだばかりで妙な悪あがきをしている最中でもあるので(すんなよ)まだまだKinKi沼がどういう風景、どういう沼なのかは分からないままなのです。ただ、色はなんとなくエメラルドグリーンみたいな高貴な感じ、美しすぎて言葉がでない感じは歌から感じました。ただきっとそれだけでは決してないだろうし、それをじわじわ知っていきたいなという独り言でした。ただねーあのねー、光一さん剛さんがどう考えても互いの空気とかポジションを身を持って知りすぎててなんかこうすごいし、色んな普通が当てはまらない関係だろうなとは思いつつも距離感バカだし、何よりボーナストラックをのぞけば最後に収録されている「銀色暗号」を聴いてあっこれやばいやつ……と二度目に思いました。銀色暗号はねーイントロからメロディから歌詞から歌声から、もう楽曲全体がとにかくエロくてこりゃすげぇやと思いました。メロディラインが甘いのはどういうことだろうか…それが剛さんの歌詞と合わさってなんともいえない感じになっててつかみどころない雰囲気もまたこれエロいよーいいよいいよー、みたいな、そんなおっさんくさい感想で〆ますね。

*1:一眼レフカメラ本体にセットでついてくる標準レンズなど

*2:これが沼にしずむ前の率直なイメージ